団地は昭和30年代から40年代頃に建てられた建物が多く、すでに築年数が40年を超える物件も存在します。当時のキッチンを使い続けている場合は、かなり老朽化が進んでおりさまざまな不便が生じていることでしょう。
今後も団地に住み続けるのであれば、なるべく早い段階でキッチンをリフォームすることで、これからの暮らしをより快適にすることができます。とはいえ、団地は勝手にリフォームしてもいいものなのかは気になるポイントですよね。
今回は、団地のキッチンはリフォームしてもいいのか、リフォームする場合は費用がどれくらいかかるのか、どのようにリフォームするのか、などをご紹介します。
団地のキッチンはリフォームしてもいいの?
結論からお伝えすると、団地のキッチンをリフォームしてもいいかはそれぞれの団地の管理規約によって決まります。規約によってはリフォームをしてはいけない団地もありますし、リフォームしてもいい上に退去時の原状回復が不要な団地もあります。
お住まいの団地のキッチンリフォームを検討している方は、まずはお住まいの団地の規約を確認しましょう。もしリフォームが禁止されていても、簡易的にリメイクシートなどを使って壁の模様替えをしたり、賃貸用の画びょうなどを使って簡易的な飾り棚を設置したりなど、工夫次第でキッチンの雰囲気を変えることは可能です。
団地のキッチンをリフォームする方法
お住まいの団地がキッチンのリフォームOKの場合、どのような方法でリフォームを進めていけば良いのでしょうか。ここでは、団地のキッチンをリフォームする具体的な方法・流れをご紹介します。
リフォーム流れ
- キッチンの工事ができるかどうかを確認
- リフォーム会社探し
- 現地調査・見積依頼
- リフォームの契約
- 近隣への挨拶
- リフォームの着工
1. キッチンの工事ができるかどうかを確認
先ほどもお伝えした通り、団地のキッチンリフォームは自由にできるわけではなく、管理規約に記載の範囲内でのみ行うことができます。そのためまずは管理規約を確認し、さらに自治体や管理会社にも念のため確認を取ることをおすすめします。検討している工事内容をお伝えし、問題がないと許可がおりてからリフォームに進むようにしましょう。
2. リフォーム会社探し
許可を得たら、次にキッチンのリフォームを依頼するリフォーム会社探しです。リフォームは工務店やハウスメーカーなどでも行っているところがありますが、団地のリフォームの経験が豊富な専門会社に依頼すると安心です。
戸建てのリフォームとは異なり、団地のリフォームにはさまざまな制約があります。制約の範囲内で理想を実現するための提案力、技術力のあるリフォーム会社に依頼するようにしましょう。
3. 現地調査・見積依頼
依頼するリフォーム会社を1つに絞る前に、現地調査と見積もり書の作成を依頼します。キッチンリフォームはただ設備を最新のものに入れ替えれば良いというわけではありません。リフォームすることでいま抱えている不満や不便を解消する必要があります。
実際に現地をプロにみてもらうことで、素人では気づけなかった不満や不便の原因を発見できることでしょう。あらゆる問題の原因をチェックしてもらい、問題を解決するための提案と具体的な見積もりを作成してもらいます。
4. リフォームの契約
現地調査をもとにした提案と見積もりをもとに、依頼したいリフォーム会社を1社に絞ったら、その会社と契約を締結します。契約時には、リフォームにかかる費用だけでなく所要期間や生活への影響などもあわせて確認しておくようにしましょう。
キッチンのみのリフォームであれば、仮住まいへの引っ越しはせずに住みながらリフォームを進めることが一般的です。そのため、どの範囲の養生が必要なのか、何日間キッチンを使用できないのかなど、事前に把握しておくことで対策が打てることでしょう。
5. 近隣への挨拶
リフォーム工事の詳細が決定したら、ご近所さんへの挨拶回りをします。自分の部屋の上下左右は騒音や振動などで迷惑をかけることになると思いますので、挨拶に回っておきたいところです。
リフォーム会社によっては、居住者の代わりに挨拶回りを行ってくれることが多いです。とはいえ、リフォーム会社に丸投げせずに、同行して挨拶しておくことで印象はよくなります。挨拶の際は、「工事の開始日と期間、時間帯、工事を行う曜日など」を伝えるようにしましょう。
6. リフォームの着工
挨拶回りが終わったら、いよいよリフォーム開始です。遅くともリフォーム着工の前日までにはキッチンに収納してあるモノは移動させておきましょう。収納棚などの大型の家具家電は施工会社が移動してくれるため、移動するためのスペースを確保しておくことでスムーズに作業が進みます。システムキッチンの交換工事であれば、だいたい2〜3日ほどで工事は終わります。
団地のキッチンリフォーム費用
団地のキッチンをリフォームするのにかかる費用は、リフォームの内容や規模によって異なります。故障している設備があるのであれば、故障したものだけを最新のものに交換することも可能です。その場合は「約5万円〜」と比較的安価に費用を抑えることができます。
システムキッチンを丸々交換するリフォームの場合は、一般的な相場が「約50〜150万円」となっています。キッチンのグレードやオプションなどによって金額は大きく変わってくるため、費用を抑えたい場合は標準グレードのものを選択すると良いでしょう。
また、先ほどもお伝えしたように、団地は築年数が古くキッチンも老朽化が進んでいることがあります。そのため、システムキッチンを新しいものに交換するだけでなく、キッチン周辺の壁紙や床材なども一緒に交換することをおすすめします。
▼団地のキッチンリフォームにかかる費用の目安
ビルトインガスコンロの交換 | 約5万円〜 |
ガスコンロ⇨IHクッキングヒーターへの交換 | 約15〜30万円 |
キッチンの壁紙の貼り替え | 約4万円〜 |
キッチンの床材の貼り替え | 約4万円〜 |
システムキッチン本体の交換 | 約50〜150万円 |
団地のキッチンリフォームの注意点
最後に、団地のキッチンをリフォームする際に抑えておきたい注意点を見ていきましょう。
注意ポイント
- 自治体・管理会社への連絡を行うこと
- 共用部はリフォームできない場合もある
- 退去時の原状回復が必要になる場合もある
1. 自治体・管理会社への連絡を行うこと
団地のキッチンをリフォームしてもいいかは、管理規約を確認すると記載されていることが多いです。しかし、管理規約に記載があったとしても、念の為自治体や管理会社に事前に確認を取っておくと安心です。連絡をせずにリフォームに取り掛かり、後からトラブルにならないように注意しましょう。
2. 共用部はリフォームできない場合もある
団地やマンションなどの共同住宅は、敷地が共用部分と専用部分に分かれています。共用部分は居住者のものではないため、勝手にリフォームなどで手を加えることはできません。
例えばキッチンリフォームであれば、排水管が共用部分のパイプスペースとつながっているため、自由に排水管の位置の変更が認められていないことがあります。そのため、排水管の移動を伴うキッチンのレイアウト変更は団地では難しいことが多いです。もしレイアウトの変更を希望する場合は、必ず自治体や管理会社にリフォーム内容の確認を取るようにしましょう。
3. 退去時の原状回復が必要になる場合もある
管理規約によってリフォームがOKな場合でも、退去時に原状回復が求められることがあります。原状回復とは、団地を退去する際には入居時の状態に戻すということ。せっかくリフォームしても、団地を退去する際にはリフォーム前の状態に工事し直す必要があります。
もちろん原状回復に必要な費用はすべて居住者の負担となるため、リフォーム費用プラス原状回復費用が必要になってきます。そのため、原状回復が求められる場合はできるだけ小規模なキッチンリフォームに抑えておくと負担が減ることでしょう。
団地のキッチンはリフォームができるなら!
今回は、団地のキッチンはリフォームしてもいいのか、リフォームする場合は費用がどれくらいかかるのか、どのようにリフォームするのか、などを見てきました。団地の管理規約をもとにキッチンをリフォームしてもいいかが決まります。まずは管理規約を確認し、念のために自治体や管理会社にも電話などで事前にリフォームの許可を取ると安心です。
リフォームの許可が降りたら、リフォームを依頼する会社を探して見積もりを出してもらいましょう。団地のキッチンリフォームの経験が豊富な会社に依頼することで、制約の範囲内で理想のリフォームを実現できるはずです。キッチンの交換リフォームであれば、2〜3日間ほどで工事が完了すると思いますので、その旨をご近所さんへの挨拶回りの際にお伝えするようにしてください。